レボリューション・イン・ザ・バレー
特別なチームで働く、普通の人たちの物語.
Macintosh の歴史が語られるとき、その一番の立役者としてあげられるのが、スティーブジョブスだろう.
だが、本書はスティーブジョブス個人の物語なのではなく、開発者自身が Macintosh プロジェクトを語る.
革命的な製品を創りあげたチームとは、どのようなチームだったのだろうか、そこで働く開発者達は、何を考え、何を感じながら開発を行っていたのか.
本書は、パーソナルコンピュータ黎明期に、コンピュータオタク達が抱いた夢や情熱や使命感であふれている.
個々人の持つビジョンは、少しずつ方向性が異なっているが、それを全体のビジョンとしてまとめ上げたのは、間違いなくジョブスの功績だし、そのビジョンを着実に実行していったのは、開発者自身だ.
開発者自身が、当時のプロジェクトを語っているので、歴史を俯瞰するために本書を用いてしまうと散漫な印象を受けてしまうかもしれない.
だが、コンピュータ黎明期の開発者達の熱量を感じとるためには、本書は最適だろう.
チーム内でビジョンを共有し、未来を実現していくということは、どういう事なのか.
歴史を分析して俯瞰することでまとめ上げるのではなく、開発者自身が個々のパートを語る事によって、歴史書だけでは伝わりきらない熱気がダイレクトに伝わる.
時代は違えど、彼らと同じようにコンピュータに未来と可能性を信じる者としては、いつまでも手元に置いておきたい一冊だ.
http://www.youtube.com/watch?v=OYecfV3ubP8
http://www.youtube.com/watch?v=G0FtgZNOD44&NR=1&feature=fvwp
- 1983年、スティーブジョブスによるアップルキーノートスピーチ
http://www.youtube.com/watch?v=lSiQA6KKyJo&feature=related
レボリューション・イン・ザ・バレー ―開発者が語るMacintosh誕生の舞台裏
- 作者: Andy Hertzfeld,柴田文彦
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2005/09/26
- メディア: 単行本
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