CEDEC 2009(初日)

今年もCEDECに参加してきました.

本日は、1日目.

開催場所はちょいと遠くなって、横浜は"みなとみらい駅"の近くにあるパシフィコ横浜です.

基調講演を聴こうと思うと朝が早くなってしまうので、時間の活用のためにグリーン車に乗ってみたんですが、
途中まで満席で座れませんでした.

...結構、みなさん活用してるのね...

ま、明日も再チャレンジしてみることにします.

さて、本日参加してきたセッションは以下になります.

  • 情報技術はどこに行くのか?
  • ゲーム開発技術の歴史を編纂する
  • 画像認識とゲーム・インターフェース
  • 「派生開発における2つの問題点」
  • WiiでDSが動くまで
  • Android Market で配信する

総評としては、まずまずの滑り出しといったところ.
個人的な大はずれは、"Android Market で配信する" と "WiiでDSが動くまで" でした.

あんまり詳しく書くつもりはありませんが、復習がてらそれぞれのセッションを振り返っておきます.

情報技術はどこに行くのか?

東京大学原島博名誉教授による基調講演.

大まかな内容を知りたければ、4Gamer に掲載されていた、原島さんへのインタビュー記事を読めばよい.

http://www.4gamer.net/games/095/G009544/20090825047/

基本的な主張は、インタビュー記事も基調講演も変わらずに、テクノロジー偏重でゲームを作っていては駄目だって話.

個人的には、"多様性"というキーワードが頭に浮かんでいた.

...もう少し考えている事があるけれども、面白くなりそうなので、このblogには書かないことにした.

ゲーム開発技術の歴史を編纂する

前半は、デジタルコンテンツ協会の活動とか、今期の市場動向調査の軽いまとめとか.

http://www.dcaj.org/

後半は、(まだ読んではいないけれども)デジタルコンテンツ協会が出している

「デジタルコンテンツ制作の先端技術応用に関する調査研究」
http://www.dcaj.org/report/index.html

のAI部分の、補足(範囲外なのかな?)として生態学とゲームAIに関する話.

アフォーダンスという概念自体を始めて知ったので、面白かった.

え〜っと、なんとなく言わんとしていることはつかめそうなんですけど、まだ消化/吸収できていない感じなので
うまく口にできません.

参考文献(?)「生物から見た世界」は、読んでみたなぁ等と思った

生物から見た世界 (岩波文庫)

生物から見た世界 (岩波文庫)

画像認識とゲーム・インターフェース

画像認識処理の超入門と、PS3向けに公開されている libface の簡単な解説.

前半が、画像認識処理の超入門だったんだけれども、わかりやすくて要点もまとまっていて、デモを使ってそのアルゴリズムの威力を
説明してくれたりして、とても良かった.

加算法、減算法、と簡単なフィルタを利用するだけで、基礎はできあがっているのかということを再認識できた.

ちょいとサンプル書いてみたくなっちゃいます.

後半は、libface(名前違うかも)の簡単な解説.

セールス色が少し見え隠れして、こちらはあんまり...

端々の技術話は、それなりに収穫と言えば収穫なのか?

3日目に予定されている、「モーションコントローラー(仮称)はこうして開発した!」で、もう少し詳細な(?)画像処理についての話をするらしい.

IMAGIRE DAY と被るのは痛いのだが、選択肢としてあげておきたい.

「派生開発における2つの問題点」

ソフトウェア開発といっても、ちょっと畑違いな組み込み系のソフトウェアの工程管理(?)を行っている、システムクリエイツ 清水さんの
保守管理(というと怒られそうだけれども、こちらの方がイメージ付けやすいと思うので...)に関する話.

清水さんによれば、保守開発という枠で捕らえるのではなく、派生開発という枠で捕らえるのが良いらしい.

XDDPと名付けられた派生開発の手法は、ばりばりのソフトウェアエンジニアリングの領域だと思うので、ゲーム屋には窮屈にも
古くさくも感じられたと思う.
(ので、途中退出者がぽろぽろとみうけられた)

たしかに、手に馴染んだ方法ではない手法を紹介されてしまうと、窮屈そうにみえるんだよね...

でも、業務系の手法をそのままゲーム系の手法として解釈するのは無理があっても、基本的な思想に関しては見習うべきところが
とても多くあると思うんですよね.

業務系に関しては、幾通りもの仕様の表現方法が確立されているけれども、ゲーム業界はそういった確立された仕様の書き方とか
保守の仕方とかが確立されないのは何でだろうなんてことを感じた.
(仕様書の書き方も、下手すると担当者ごとに違う有様だし...)

  • ソフトウェアエンジニアリングのような世界を知らない(もしくは、知らなくても良しとしてしまっている)
  • 各会社ごとの秘密主義が根強く残っている
  • 業界で、標準的な文書(文法)のスタイルを確立しようという動きがない

こんなところが原因なんだろうか?

知らないとか、合わないってので済ませてしまうのは、ちょっともったいないような気がするんだよね.

CEDECみたいな会で、こういった話をもっとすればいいのになんてことを思った.

正直な話、期待していた内容とは少し違っていたが(バージョンコントロールの話だと思っていた)、一番考えさせられたセッションだった.


http://homepage3.nifty.com/koha_hp/

WiiでDSが動くまで

DS版のソースコード・リソースファイルに一切変更を加えず、Wii上で同じモノを動かしてみましたって話.

FF FoT 開発時の苦労話で、そこそこ楽しめたんだけれども、得るものは無かった.

セッションがプログラミングのカテゴリに入っているのに、あの話の展開方法は無いだろうと...

結局、Nitro SDKのライブラリのスタブを作ってコンパイルを通るようにして、ごりごり実装していきましたって
超力業な話でした.

Android Market で配信する

前半は、Android Market の実態というか、ビジネス形態の簡単な説明.

後半は、超チュートリアル.

ホントに、チュートリアル.

...そのぐらい普通に調べてるだろ...

まとめ

明日は、グリーン車で座りたいです.