ゲーム屋からみたwebを支える技術

Webを支える技術 -HTTP、URI、HTML、そしてREST (WEB+DB PRESS plus)

Webを支える技術 -HTTP、URI、HTML、そしてREST (WEB+DB PRESS plus)

webプログラマだったら知っててしかるべき内容の本が書かれているんだろうな…
と思いながらも、当方(業界のすみっこにいる)基本はゲームプログラマなのでこういったガイドブック的な本の存在はとてもありがたい.

今までは、web屋さんの常識なんてのは「専門外なんで…」なんて言葉でなんとかなっていたようなきもするけれども、ソーシャルゲームが大きく幅を効かせているこの世の中で、そうとばかりも言っていられないってのが実情.

正直、現状リリースされているソーシャルゲームとかブラウザゲームには魅力を感じないんだけれども、だからこそ、自分だったらどう作るのかとか、どうやって開発をすれば満足できそうなのか?とかってことを考えるのは楽しいもんだ.

さて、本書を読み終えて面白かった事をまとめておこう.

まず1点目として、プロトコルとしてのhttpの概念という視点が手に入ったのは収穫だった.

http なんて所詮は、GET か POST でリクエストを投げて、サーバから適当なレスポンスが返ってくる程度のイメージだったし実際その通りなんだけれども、きちんと流儀を守るとどんな恩恵が得られるのかというイメージが掴めたのは本書を読んだおかげだ.

ぶっちゃけ、クライアントもサーバも自分の管理下で開発が行えるんだったらレスポンスコードに何を返そうが、結果に何を格納して返そうが、URIにどんな引数を突っ込もうがなんの支障もない.

でも、流儀(仕様)を守ることで、クライアントに依存しないサーバやサーバに依存しないクライアントを作ることができ、これが(サービスの)マッシュアップって呼ばれるようなシステムの可搬性に繋がるんだろうな.

自分一人の世界だったらどうにでもなることなんだけど、可搬性(互換性?)を維持することが他のユーザへのインターフェースになり、これが業界全体を支えていく.
webシステムってのは大いなる愛の力で支えられているものなのかもしれない.

…では、流儀を守る事は「他のユーザに対するペイフォワードにしかなっていないのか?」
この疑問に対する回答が得られたのが2点目の収穫.

一見回りくどいように感じるそれぞれの仕様も意図と内容が分かってしまえば受け入れられるもんで、webの世界では仕様を理解していることが、自分で仕様を定義しなくても良いことを示しているがよく分かる.
結局、情けは人のためならずなんだな.うむ.

主にこの2点が収穫になるけど、最後に期待していたけれども手に入らなかったものを挙げておこう.

本書を読んでいて感じた点は、「理念や仕様はわかった、じゃそれはどう実現すればいいの?」という言葉につきる.

リソースを中心にURIを定義することは分かった、環境に依存するようなURIバッドノウハウだということも理解できた.
でも、それを実現するためにはどうすれば良いの?

本書にこの部分を期待するのは本書の趣旨的に間違えている事は理解しているが、せめて参考文献として補完をして欲しかった.
(補足 : 当然、本題である仕様関連の参考文献は最後にコメント付きで載っているので安心)