『ファミコンの驚くべき発想力』は取り扱い注意
ファミコンの驚くべき発想力 ?限界を突破する技術に学べ? (PCポケットカルチャー)
- 作者: 松浦健一郎,司ゆき
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2010/10/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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おやつ感覚で読了.
内容はそれほど期待していた訳じゃないんだけど、なんとなく「重版はないかなぁ...」って感じて、変にプレミアが付いてから読みたくなって悔しい想いをするぐらいだったら買ってしまった方が精神的に良いだろうと思って購入.
...それなりに面白かったんだけれども、対象の読者がちっと想像しづらい印象をうけた
読みどころは、三章の『数字を自在に操る計算テクニック』の部分.
8bit CPUを使た除算なんかはそれなりに参考にはなる.
とはいえ、所詮はおっさんの回顧録にすぎない.
私の読み方がイジワルなだけなんだろうが)アセンブラマンセー臭が漂ってきてちと鼻につく感じだ.
我々は、こうやって先人たちの通ってきた道を辿れるからこそ、より早く現在のスタートラインにたどり着くことができる.
その恩恵にあずかれることに感謝すると同時に「過去を振り返りすぎることに何の意味がある?」とも感じてしまうのだ.
マシンスペックを極限まで引き出すことに注力することも極小部分では必要だろう.
けれども、潤沢に用意されているマシンスペックを、細かな最適化に時間を取られるのではなく、泥臭い開発手法から抜け出すために利用するという選択肢も当然あってしかるべきだ.
そこの視点を外してしまったまま本書を読み進めてしまうのはあまりにも危険だ.
経験の少ないプログラマーでも本書を読む価値はある、だが本書の内容を理解するのではなく、筆者の言葉に対して疑問や違和感を持つ力こそを本書を通して身につけるべきだと感じた.