iPhoneアプリ開発者は必読『iOS SDK Hacks』
iOS SDK Hacks ―プロが教えるiPhoneアプリ開発テクニック
- 作者: 吉田悠一,高山征大,UICoderz
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2010/10/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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タイトルにびびるなかれ.
どこぞの書評に書かれている「中級者なら買い」に尻込みすることなかれ.
食わず嫌いは損しまっせ.
本書は、全てのiPhoneアプリ開発者にとっての必読書だ.
ひとまず目次に目を通していただきたい.
目次 クレジット まえがき 1章 UIKitHacks 1. subviewsを辿る 2. respondsToSelectorをフックする 3. UIWebViewでユーザーエージェントを切り替える 4. class-dump 5. 便利マクロ 6. UITableView Hacks 7. NSOperation 8. PNG最適化 9. MapKitとMKMapView 10. MKMapViewでピンをアニメーションさせる 11. AsyncSocket 12. ImageStore 13. AdHocビルド 14. 外部ディスプレイ 2章 QuartzHacks 15. 文字を高速に描画するには 16. 影付け 17. クリッピング 18. NSStringを使わない描画方法 19. Quartzで2バイト文字等を描画する 20. 描画される文字の幅を調べる 21. 自分で用意したフォントを使う 22. UIImage Hacks 23. ピクセルデータから UIImageを作成する 3章 Objective-C 24. Objective-Cの動的性質 25. Method Swizzling 26. Method Swizzlingによる UIWebView Hackの例(iOS 3) 27. dlopen 4章パフォーマンスチューニング 28. 性能チューニング 29. otool 30. Instruments 31. Shark 32. ARMイントロダクション 33. NEON 34. VFP 5章ネットワークサービス 35. Push Notification 36. In App Purchase 6章 iOS4Hacks 37. ユニバーサルバイナリ 38. iOS 4のカメラ API 39. Accelerate.framework 40. UI Automation 41. Grand Central Dispatchによる並列処理 索引 アプリケーション作成チェックシート コラム目次 iPhone用オープンソースについて 仮想通貨の是非について Appleの決済を使わないアプリケーション内課金について
ざっと目を通してみると、CPUの動きだとか最適化だとか、ちょっと小難しい項目が並んでいるが...
ざっと目を通したら興味を引かれた部分だけ読めばよろしい.
2〜3項目も読みたい章があるのなら、それだけで購入してしまって損は無い.
さて、それでは興味を引く項目が無かった初心者の救済措置をしておこう.
まずは、『#13 AdHocビルド』(p.37)を読め.
本書を手に入れたら、表紙を眺める前にこのパートを読み始めて良い.
ここにはデバッガさんにアプリを渡す方法が書かれている.
本書を読まずに、「ADHocビルドの方法ならすでに知ってるよ」なんてことは言うなかれ.
すでに他の人の開発者アカウントで認証済みのアプリを、自分のアカウントで再認証できるのはご存知だろうか?(私は本書を読むまで知らなかった)
こういったちょっとした情報こそが本書を読む価値というものだ.
ここを読み終わったら、『#30 Instruments』と『#31 Shark』だ.
XCodeにはInstrumentsという素晴らしいプロファイラツールが付いてくるのだが、意外にその(日本語で手に入る)情報は少ない.
プロファイラツールなんていうと小難しい印象を受けるかもしれないが、メモリリークなんかも報告してくれるツールなんて程度に捉えておくだけでも十分過ぎる恩恵が受けられる.
そして最後に目次にざっと目を通して何となく全体の項目を頭に叩き込めば十分にモトは取れる位の情報量になっていると思う.
無理やり興味の無い項目を読んで難しいと投げ出してしまうより、美味しいところだけつまみ食いして、後は必要に応じて読めば良いのだ.
ここまでが、私なりの初心者救済措置だが中級者以上ならばさらに面白い話題が満載だ.
『#23 ピクセルデータからUIイメージを作成する』の部分は、本書を読む前にOpenGL TextureからUIImage変換、そしてその逆変換なんて処理を書こうとした時に苦労してた内容だし(当時この本があれば良かった...)
『#33 NEON』なんかの話題は、ちょっと興味を持っていました程度の心構えでは手を出しづらかったものを、本書のように解説を加えられると「ちょっとコード打ってみっか」って気分になる.
と、まぁ、ちょっと煽り気味に書いてみたが、要はiPhoneアプリ開発者であれば目を通しておいて損は無い内容だと
こういったJEMS的な本は定期的に出てくれるとありがたい