CEDEC2014 に行ってきたよ(二日目)

遅れてしまいましたが二日目の雑感を残しておこうと思います.

(基調講演)『ウェアラブルコンピューティングの動向とウェアラブルゲームへの展開』(塚本 昌彦/神戸大学大学院)

あと2~3年ぐらいには、ウェアラブルコンピューティングが...などと、十数年まえからおっしゃっている塚本教授の基調講演です.

...いえ、馬鹿にしているわけではなくて、私もウェアラブルコンピューティングとかARとかVRとか大好きです.

Google Glass とか、ARWalker とか、Inforod とかの動向にはとても興味があります.

今年は来るんでしょうかね?

本命といわれている、iWatchはどうなんですかね?

ウェアラブルコンピューティングが広く一般的になった時に、ゲームはどのような形になるんでしょうかね?

塚本教授は、昔からの子供の遊びにウォッチ型のウェアラブルバイスが足されると新しい遊びが生まれるという話を(一例として)挙げられていましたが、それはそれで面白いと思うのですが、テレビゲームとウェアラブルバイスを利用したエンターテインメントは区別されると思うのです.

あ、そうそう、「電飾(付き)ウェアもウェアラブルコンピューティングなんですよね」なんてことをおっしゃっていたのですが、これにはなかなか考えるものがありました.

なるほどなぁ

モンテカルロレイトレーシングの基礎からOpenCLによる実装まで(実装編)』(Takahiro Harada / Advanced Micro Devices, Inc)

去年の講演は、モンテカルロレイトレーシングの基本理論の話をとても丁寧でわかりやすく解説していただきました.

今年は、それの続きの OpenCLの実装編でした
(...というか、去年の講演で時間が無くてたどり着けなかった部分ですよね?)

話を聞いてみて、OpenCL でレイトレ実装は結構面白そうだなと感じました.

...ちょっと実装してみようかな

『物理ベースレンダリングを実装するときに役立つこと』(五反田 義治/株式会社トライエース)

...あいかわらず、聴いている人を置いてきぼりにするような内容でした.

エイリアシングの話をするんだと勘違いしていたんですが、中身はレンダリング方程式の解釈を正しくおこなって、どこでエイリアシングが起きているのかちゃんと把握しようぜってな話でした.

レンダリング方程式には、積分が含まれる複雑な形の方程式になっているので解析的に解を見つけるのが困難だと.

ので、積分の部分をサンプル数を増やすことによって精度を上げる必要があるんだけど、ちゃんとレンダリング方程式の意味を把握していないとアンダーサンプルしちゃっているときに問題を起こすケースがあると.

ので、アンダーサンプルの時に起きる問題の原因をちゃんと把握して、対応できるような形に式変形できると良いよねとか、「積分の形だから解析的に解けないもん」とか言わないでもうちょっと禁じ手法をがんばってみようぜとか.

和の積分は大変だけど、積分の和の形に直せるんだったら....ガウスで近似すると...むにゃむにゃ

...なんとなく魂はつたわりました.
勉強して出直しますっ

『Position Based Dynamics Omelette コンピューターグラフィックス関連の最新論文紹介』(芦原 栄登士/株式会社セガ)

数年前(2011年かな?)に『ドラゴングドグマ』(カプコン)の物理セッションがあったのですが、そこで紹介されていたベルレ積分(位置ベース物理)に関連した論文紹介でした.

表題には最新論文紹介とあるけれど、関連論文を網羅的に紹介していただけて、とてもありがたいと思いました.

話題としては、

  • Point Based Dynamics
  • Smoothed Particle Hydrodynamics
  • Position Based Fluids

という流れになっていて、位置ベース物理の基本概念から始まり、それを流体に応用する最新論文までの道筋を示していただきました.

1コマの講演なので詳細は自分で追わないと理解できないのですが、各論文のキモの部分は解説していただいたので、後日資料を参照しながら各論文を追ってみたいと思います.

『200 Gflopsそしてそれ以上に到達する時代のモバイル・レンダリング』(Timothy Lottes/Epic Games)

FXAA( http://developer.download.nvidia.com/assets/gamedev/files/sdk/11/FXAA_WhitePaper.pdf )の中の人ですよね.

...話についていけない部分が多かったのですが、間違いを恐れずにざっと要約してしまうと...

モバイルGPU事情とPC(コンソール)GPU事情を比べると、その差は想像よりも小さくて、場合によってはモバイルの方が上回るスペックを出してしまうことがあるって話から、現世代のハイエンドマシンに向けて作られたアセットをそのままの形でモバイルデバイスでも利用できる日が近づいているって話.

物理ベースレンダリングを採用したモバイルデバイス向けのゲームが出る日は近いのかも知れない.

途中、Apple の Metal と AEP(Android Extention Pack)の話がありました.

AEPはざっと中身を確認してみると面白いかも

Open GL ES 3.0 は短命になるのかな?

(参考)
http://blogs.nvidia.com/blog/2014/06/25/google-io-tegra-aep-gaming/